今年は、校内では重点研究の推進委員長、校外では区の情報教育研究会の部長ということで、研究をひっぱる役目をいただいていました。これだけ「働き方改革」が叫ばれているので、なんとも大きな声では言えないのですが、こういう役目って、「がんばろう」と思える人の中でいろいろな人が経験できるといいなと思います。
その理由は、肩書きが人を育てるからに他ありません。もちろん、パフォーマンスはいろいろですし、同じ肩書きでもキャリアステージによって振る舞いも大きく変わると思います。
若い先生が推進委員長や部長になったのなら、一度はやりたいように、ときに傲慢でもやってみたらいいと思います。それを、実質的には何枚も上手な人がうまいことサポートすればいいと思うのですね。粗雑な論理であっても、ポリシーをもってそれを明文化してみることは大きな経験値になりますし、それが本当に価値を生むのか否かを検証するのも大事です。また肩書きがあるからこそ受けられる研修などから、個人的にも学びを深めることもできます。一生懸命自分が語り説いたことを、同僚が受け止めてくれてやりがいを感じたなんて経験もすごく大事です。
私のように、キャリアステージがかなり上がってきている人間が、このような役目をいただいた場合は、ひとえに、現実と理論との折り合いを学ぶよい機会になります。先生方お一人おひとりのキャリアステージや背景、お考えについて「なるほど〜。」「そう考えるのか〜。」など、すごく勉強になります。研究内容についてその人たちから学ぶというよりも、研究を進めるにあたって人と一緒に進めるために自分がどのように振る舞うべきかということについて深く考えさせられます。こういう経験をしていかずに、年齢だけが上がってしまっては本当にはずかしい人間になってしまうなあと思いますし。
今年度、校内の重点研究は「国語科」の研究しました。特に説明的文章にしぼって。これまでの自分の教員人生の中で国語を重点であつかったのは1年だけだったと記憶しています。その分、素人のように学ばせてもらえてありがたかった反面、推進役としては力不足だったなと反省もたくさんあります。
区の情報教育研究会の部長としては、より一層の難しさを感じました。日頃一緒に働いている相手ではありませんし、校内事情もさまざまである分、ニーズに寄り添えない部分がたくさんあったからです。その分、今年度は「本来あるべき研究会の姿」に向けて大きく舵を切りました。受け入れてもらえたかどうかは、なんとも言えないところではあります。現実的には、校内の分掌として困っていることがたくさんあって、そういうことの情報交換をしたいですとか、自分の勉強にしたいですとか、そういったニーズが高いことはわかっていたからです。ですが、あくまでも区の研究会は「各学校で校内でリーダーシップをとり、学校での情報教育を確実に行なっていく」ためのカリキュラム編成の手がかりや実践の共有をすることですので、そちらに注力することにしました。区の研究会は輪番制でやっているので、今年は幹事校があたっていたために部長を引き受けましたが、来年度は幹事をおゆずりすることになります。個人的には「舵を切ったのならば、軌道に乗るまでは責任をもつ」というのが筋であると思うのですが、一方で研究会員のみなさんの意思を尊重する形で見守るのがよいとも思います。
校内研究に関して言えば、教員人生の半分以上を推進委員長として過ごしてきており、それが私の適材適所なのかなとも思います。それでも振り返ってみると、自分の振る舞いも毎年毎年反省を繰り返しながら、少しずつ成長させてもらえているかなと感じています。
たしかに働き方として大変なこともたくさんありますが、「負担」は「ストレス」になるものもあれば「プレッシャー」にとどまるものもあります。ストレス耐性は人それぞれでしょうけれど、人に期待されたり、批判されたり、注目されたりすることは、自分の成長には欠かせないプレッシャーです。気持ちのもち方次第では、プラスに働くこともたくさんあります。また、ストレスとして心身に表れた際は、それを解消する手段をもっていることで乗り切ることもできます。(この話は、またいつか別記事にしたいと思います)
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