運動会で中学年の子たちは、だいたいカーブを含めた70〜80mくらいの徒競走をしますね。
プログラムでも「カーブを攻めろ!」みたいなネーミングとかしちゃうんですけれど、実際3・4年生くらいですと、身長とか足の長さ、あるいは運動能力(ピッチとかストライド)を考えると、カーブにおいて特別な走り方のコツとかないと思っています。
もちろん、反論などはあると思うんですけれど、学生時代ずっと陸上競技をやってきた自分と、ずっと運動に励みながらも遅咲き(発達がかなり遅かった)だった自分の経験からの私見です。
私は、かなり運動理論に基づいて、体をどのように意識して動かしていくかということを考えますし、人にもそれで伝えます。若干、頭でっかちな気もします。でも、その一方で自分の経験からはっきりわかっていることがあります。それは「骨や筋肉がある程度しっかりと発達し終えていること」その上で「神経繊維が細かく発達していること」によって効果を発揮するということです。自分の運動パフォーマンスを客観するというのは、非常に難しいです。昔とちがって動画で撮影してすぐに自分の動きを確認できる時代ですから、昔よりは多少客観視できる能力の向上もはかられそうではありますが。でも、正直いって、動画を見てもどういう意識でどこにどんな力を入れたらそのパフォーマンスになるかというのは、筋力と神経発達が欠かせないですよ。
だから、小学3・4年生でいうと、細かい動きについてどこにどんな意識をもって動いたらいいかというのは難しすぎて、そんなことよりは「何度も何度も、とにかくたくさん走りまくろう!」の方がいいんです。
それを言ってしまってはおしまいだという声も聞こえてきそうなので、一応、小学生でも意識できそうで速く走れるようになるコツを書いてみますね。
まずは、腰の位置を高くするってことです。短距離はかかとなんてつかないで走るんですよ。つま先走りするぞーくらいならきっと意識してできます。スタートから10mくらいの前傾姿勢とか、腹筋や大腿四頭筋が発達していないとうまくできないんですよ。つぶれちゃって、腰低いまま走ってしまったらタイムは確実に遅くなります。それくらいなら腰を高くして走る!がいいです。
次に、目線ですかね。「足元にお金は落ちていないから、安心して前を向いて走ろう!」と伝えてあげてください。子どもはどうしても、近くを走っている友達をみがちですが、友達を意識すると知らないうちに歩調ならぬ走調もシンクロしてしまうので、とにかくゴールに向かって視野を狭めて集中して走るべしですね。
中学年はこのくらい。高学年で、リレーの選手になるような大きくてかなりの速度で走れる子は、これに加えてカーブの前半と後半で走り方を変えるとよいと思います。カーブ前半は、校庭にもよりますが、慣性でまくれてしまう可能性があります。ピッチを狭めて左足と右足で異なる意識をもちます。左足はサッカーでボールを蹴る時のように軸足のように向かう方向につま先を向けるだけ。右足をしっかり蹴る意識があるとよいでしょう。カーブ後半は、スタートと同じようにピッチから少しずつストライドを広げていきます。しっかり腕をふるとよいですね。
繰り返しになりますが、「たくさん走ってみること」が、速く走れるようになる一番の近道だと思います。いつも同じ走り方ではなく、ピッチ走法やストライド走法など、いろんな動きを試してみるのもよいと思います。ただ決められたレーンを走るというだけでも、いろいろな動きを実際に体感してみることで、パフォーマンスの幅が広がります。
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