すれちがった君とのゆくえ

日記

 思い返せば9月20日。

 君は急にぼくの前に現れた。

 突然の出会い、そして君の神々しい姿にぼくはしばらく動けなかった。

 ぼくはしばらく君から目が離せなかった。

 勝手かもしれないけれど、君もぼくをじっと見つめている、そんな気がした。

 君は、一度はぼくのところへやってきてくれた。

 嬉しかった。

 でも、次の日、目が醒めると、もう君はいなかった。昨日のことが幻であったかのように。

 それから、幾度か君はぼくの前に現れてくれた。

 でも、なぜかぼくが近づこうとすると、君は消えてしまう。

 いつだったかは、ぼくが経営しているショップのショーウィンドウに立ち、中をじっと見つめていた。言ってくれたら、すぐに中に入れてあげたのに。

 10月5日、外は雨。少し肌寒い日に、娘が君を見つけた。

 「おとうさん!いたよ!」

 娘は喜んでいた。きっと娘も君のことを気に入ってくれていたんだ。

 しばらくの娘の説得。そして、とうとう、君は娘に連れられ、私のところへ戻ってきた。

 「おかえり。」

 自然と、そんな言葉が出てきた。ぼくは君に食事をごちそうした。

 ぼくと娘は、君がおいしそうに食事するところを、じっと見ていた。

 やったぜー!今度は隙間をビニールテープで塞いだから、脱走できないはず。逃げたあと、コオロギのケースの外から物欲しそうにしていたアシダカグモ。だから捕まっておけばよかったんじゃん!アシダカくん、きっとご飯食べていなかったでしょ。お腹がぺしゃんこだったもの。ケースの中に収まって、コオロギ1匹入れたら、早速捕まえて食べていた。今朝見たら、お腹がしっかりふくれていた。よかったねー。

 どうやら調べたところによると、アシダカグモは1週間に1回くらいの餌でいいようなので、それくらいのつもりでいます。

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