学年末、先生たちはいろいろ作業をします。
異動をする先生は、荷物をまとめて自宅に送ったり、次の職場に送ったりします。異動しない先生も荷物をまとめます。次、どこの教室になるか分かりませんし、担任でない役になる場合は荷物を自宅に送ることも。
みんなで使う学校のものも整理します。教室に配られている教師用の定規・音楽プレーヤーなどは一度全て集めて、修理交換が必要ないか確認します。
データの整理もします。不要なデータは削除します。引き継ぎデータはそれぞれに整理します。
まあ、本当にいろいろな大掃除をして、すぐくる新年度の準備をするんですね。
私は情報部の仕事もありましたから、年度更新はやることがたくさんあって大変です。データの整理もみなさんにお願いをしておかないといけませんし、異動する先生や卒業生のGIGA端末の初期化と再配備の準備とか、システムへのデータ登録とか、まあ本当にいろいろあります。「わからなーい」先生にあれこれ教えながらやるのも仕事です。いつもは、もう一人の心強い先生と一緒にやっていたので、ここ数年は無難にやれていたのですが、今年は全てをその方の負担になってしまっていると思うと、本当に本当に申し訳ないです。
今日は、いままでどうにかつなぎとめていた緊張の糸がぷっつりと切れてしまったように、感傷的に呆けています。何もできない自分のことを嫌になる気持ちもあります。
でも、呆けた気持ちになるのは、思い返してみれば毎年のこと。私はいつも学年を持ち上がるつもりはなく「1年1本勝負」のつもりで全精力をかけています。一度うけもった子どもたちは二度とうけもつことはないと思いながら、余すことなく自分にできることをやり尽くそうと。そういうことが健康・体力的にできなくなるなら、もう担任はできないだろう、そう思うこともよくあります。
令和の時代、もう一般企業でも働き方やキャリアというものへのとらえが大きく変わってきているのかもしれませんが、とにかく私くらいの世代の小学校の先生ってほとんど「定年まで現役で担任やりたい!」って人ばかりで、管理職を目指そうという人っていないんです。子どものことが好きで、子どもと近いところで一緒に泣いたり笑ったりしながら生活して、成長をうながしたり見守ったり見届けたりすることに仕事のやりがいを感じる人たち。
でも、正直なところ私は、今の働き方であと何年できるか不安、体がもたないってずっと思っていました。そうなった人が校長・副校長ってわけでは全然ないんですけれどね。キャリア的には「職場を育てる」という仕事へのウエイトがものすごく大きくなってきているのは事実です。若い先生たちが一生懸命やっている姿を見ると、すてきだなあと感じます。
教室はからっぽ。子どもが登校しない学校は、しずか。
多分、それぞれの担任の先生は、子どもたちとの日々を解雇しながら、最後の教室整理をしているのでしょうね。
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