今、私は闘病生活の中で、体力の維持と気分転換を兼ねて、毎日1時間の階段昇降を日課にしています。決してスピードを競うわけではなく、あくまで「ゆっくり、丁寧に、でも継続して」というリズムで行う運動です。
そんな中、ふと、ある不思議に気がつきました。
同じ「歩く」でも、こんなに違う?
平坦な廊下をスタスタ歩くときと、階段をゆっくり昇るとき。
どう考えても後者の方が、息が上がるし、心拍も早くなる。
「おかしいな、そんなに速く歩いてるわけじゃないのに…」
「むしろ平坦な道の方が速く歩けるのに…」
そんな風に思いながら、なんでだろう?と考えました。
物理で習った「位置エネルギー」を思い出す
高校で習った物理の知識がふとよぎります。
エネルギーには「運動エネルギー」と「位置エネルギー」があって、
- 運動エネルギー=動いているときに生じるエネルギー
- 位置エネルギー=高いところにある物体がもつエネルギー
というものです。
つまり、平坦な道を歩くときはほぼ「運動エネルギー」だけを使っているのに対して、
階段を昇るというのは「運動エネルギー」+「位置エネルギー」=ダブルの負荷がかかっているんですね。
重力に逆らって、常に自分の身体を持ち上げている。
それがどれだけ大変なことか、心臓は正直に教えてくれています。
生理的にも納得
理屈だけじゃなく、体もまた正直です。
階段を昇るとき、脚の筋肉はしっかりと働きます。特に太ももやお尻の筋肉がフル稼働。
その分、筋肉に酸素を多く届ける必要があり、心臓がフル回転して血液を送ってくれる。だから心拍が上がるんですね。
小さな運動が、大きな気づきに
病気と向き合う日々の中で、自分の体と丁寧に向き合う時間が増えました。
その中での小さな気づきが、こうして自分の学んできたことや、体の仕組みとつながっていくのは、とても面白い体験です。
階段を一段ずつ上がるたびに、
「ああ、これって自分を少しずつ上に引っ張ってるんだな」
「ちゃんとエネルギーを使ってる証拠だな」
そんな風に思えるようになりました。
スタスタ歩いてもさほど心拍が上がらないのに、階段昇降ではすごくゆっくり昇っても心拍が上がります。1階分昇って休憩すれば心拍は落ち着きますが、さすがに9階分だとゆっくり昇っても確実に上昇します。
今は闘病生活中なので、Apple Watchで心拍を見ながら、心拍数に合わせて昇るペースを調整しています。
コメント