WWDC2026で、新OSが発表されました。大きな変更はiPad OSかなと思います。
Mac使っていないユーザーにはピンとこないと思うんですけれど、iPadがMacのように使えるようになるってのが今回の目玉というか大型アップデートなんですね。
iPad初代のときから一番ほしいと思っていたのは、複数のユーザープロファイルを作れること。これは未だに実装されていません。Androidのタブレット端末では複数ユーザープロファイルを作れます。
職場でGIGA端末としてがっつり使うようになってくると、いちいちアプリを切り替えるのが面倒だなとか、複数アプリをまたいで作業をしたいんだけどなという要求が出てくるようになりました。
実際、入院中の身としてはiPadかMacかという選択に迫られたときに、悩みました。最初はMacBookAirを使用していたんですけれど、画面をタッチ操作できないことや、キーボードを分離できないことが煩わしくて、iPad Airを購入したのでした。
で、前回の入院からiPadにしたのですが、実はこちらの方がかなり不便だったんです。YouTubeとかTVerを視聴するといった用途では正直どちらでもいいですし、なんならiPadの方がいいかんじです。でも、ブラウジングの半分は調べ物だったり、ブログ記事執筆したりするので、Safari、ChatGPT、Photo、Keynote、メモ帳あたりを行ったり来たりするのが早い方が圧倒的に使い勝手がよいのです。何よりデスクトップがあるとPhotoアプリを立ち上げる必要なく生成した画像やKeynoteで作成・書き出した画像をデスクトップに貼り付けて利用することができるので、作業効率がよいのです。(生成した画像を他アプリに直接ドラッグ&ドロップはできるけれど、イメージプレースホルダーにドロップとかはうまくいかない)
では、この大型アップデートは歓迎されるかって話なんですけれど、私の正直な感想としては「微妙」といったところです。
- デスクトップがあるわけではない
- メモリが8GBしかない
- 画面が小さい
の3点から、所詮「iPadをMacライクに使える」程度のものになると思うからです。
そもそもマルチタスク作業をするようなクリエイティブ層は、iPad保有者の中の一部でしかないと思います。確かにMacBookとiPadの両方を持ち歩くのは大変だから、iPad1台でおおよそのことがこなせるならありがたいですから、重宝されるとは思います。
この機能を十二分に発揮させるとしたら、現状「13インチiPad Pro 1TB or 2TB」しかないのではないでしょうか。それか、ライトクリエイティブ層(動画は制作はしない)の外出先作業端末という位置付けになるかなと。
そもそもこれまでこの機能をiPadに実装しなかったのは、別に技術的な問題ではないんです。あえて棲み分けをしていたんです。MacBookとiPadの明確な用途分けをしていたからですよね。今回のiPadOSの方針転換は、あらたな戦略に入ったのでしょう。それが私にはまだ見えていません。普通に考えて「無印iPadユーザーが、MacBookを買う理由がなくなってしまった」と思うわけでして、加えて「iPad Airの11インチの立ち位置が微妙になってしまった」のではないかと思うわけです。
まだ危惧する点があります。それは、本来のiPadユーザーエクスペリエンスを損なってしまうのではないかということです。アプリケーションベンダーが、マウス操作的な体験の向上に舵を切っていくとなると、iPadの直感的な操作体験が毀損されていくのではないかと。
これからiPad Proに15インチがラインナップされるようになるかもしれません。RAMも16GBが最低になるかもしれません。無印iPadをクラムシェルモードのように使用するという意味不明な使い方が出てくるかもしれません。iPadと外部ディスプレイを接続して、外部ディスプレイをデスクトップとして利用するモード(Android16で実装されます)とか出てくるかもしれません。
でも、そんなことするんだったら「Macの画面をタッチ操作できるようにする」方が圧倒的にいいんですよ。ChromebookでもWindows端末でもずっと昔からありますが、Appleはかたくなにこういう商品を作ってこなかったんです。それはiPadならではの体験があったからではなかったのでしょうか。
世の中の大歓迎ムードに反して、私はちょっと興醒めしているかも。使ってみないことにはわかりませんが。
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