誰に言ったらいいの?

世情

 ここ1週間くらい、Threadsを熱心に使ってみています。

 「おすすめ」に、全くおすすめしてほしくないものばっかりが並んでいて、ずっと使っていなかったんですけれど、「自分の投稿をしっかり続けていくことで、だんだん落ち着いてくるよ」と助言いただいていたことを思い出し、実践してみているところです。

 1週間使ってみて、今私のおすすめに表示されるのは学校関係です。しばらくは小中学校教員の働き方改革に関する愚痴が多かったのですが、ここ数日で

  • 小学校教員による、保護者対応で疲れ果てた投稿
  • 保護者による、学校の個人面談でもやった投稿

が8割くらいを埋めるようになってきました。

 両方ながめてみると、改めて「どっちもどっち」とは言えないんですよ。

 だって、教員は「仕事」だから。

保護者対応、どうしたらいいの

 たしかにSNSでとんでくるヘイトは無視したりブロックしたりできるけれど、実際に担任しているクラスの保護者からヘイトまじりの支離滅裂なクレームや無理難題の要求などがあったら疲弊してしまいます。立派なハラスメントです。

 それをどこかで愚痴りたくなるという気持ちももちろん分かります。というよりも、業務妨害やハラスメントには組織として毅然と対応していくべきなんですよね。本来、担任個人で抱える問題ではありません。家帰ってまで引きずって、SNSで吐露しなくてはいけない現状は、あまりに悪循環ですし非生産的です。

 愚痴は、本当だったら職場内で聞き合っておさめたいところですね。でも、それが難しい教員もいるのでしょう。ただ、SNSはかなり相性が悪いと思います。上司の愚痴とか、組織体制に対する愚痴とかならまだしも、保護者や子どもへの愚痴は、守秘義務を守っている体でも、信用失墜行為に抵触する可能性が高いです。

Threads上手を発見

 今日私は、ものすごく「発信上手」な方をThreadsで見つけました。保護者対応に疲れてしまったという投稿だったので、てっきり私はしょうもない教員の同情リプ(わかる、くそ保護者おおすぎ!みたいなやつ)がたくさんつくのかな〜って思ったんです。でも、そういうのはほとんどなく、むしろ保護者アカウントから「いつもありがとうございます」「お疲れ様です。感謝しています」のようなコメントにあふれていたんです。

 すごいな〜って思って、その方のこれまでの投稿を見てみたんです。そうしたらクラスの子どもたちを包み込む温かい眼差しの投稿や、子どもたちとのかかわりに喜びを感じている投稿、我が子のありのままを受け止めて育児されている投稿などであふれていたんです。前むきな投稿が大半で、言葉にとげが全然ないんです。意識して言葉を選ばれているのか、それとも自然体なのかは分かりませんが、きっとすてきな人なんだろうなと想像してしまいました。

学校に言っていいのか分からない

 それはそれ。

 保護者が「え、それは・・・。」と思うことの多くは、まっとうなコンプレインです。学校としては説明が足りていないとか、特にThreads見ていて多かったのは、教員の「言葉のチョイス」の至らなさでした。これはクレーム、正当な改善要求を出していいものなんです。

 10年以上ずっと言い続けてきていることではありますが、保護者の方って、モンペ扱いされないかって結構心配していて、相談したいこともあまり相談できていなかったりするんです。「先生、忙しいから・・・」と遠慮する方も結構いらっしゃいます。

 これがとってももったいないなあと思うことです。

 まあ、確かにですね、ずっと授業があって、子ども下校させてからの1時間程度の中で校務をやって、担任業務は時間外にやるしかないくらいの現状で、保護者の方と30分電話したら睡眠時間を30分けずるか明日の授業1コマいい加減にしてしまうかのようなトレードオフが起きることは事実ではあります。

 優先順位をどうするかという問題はあっても、私は保護者対応を業務から外すというのには反対の立場なんですね。だって、保護者の方といろいろお話した方が、子どものことよりよく支援できるんだもの。

どこからがモンペなの?相談先はどこ?

 モンペとはどういうものかというのを、はっきり示したらいいとも思います。学校単位で具体例を挙げると、そういうケースがあったのか、そういう人がいたのかと邪推してしまいますから、教育委員会が主導して示したらどうでしょう。

 また、Threadsでは、保護者の方の「お子さんの困りごと」の困りごとについて、相談先を悩まれている方が多くいらっしゃいました。

 これについては、学校が積極的に案内しているとよいですね。これ、自治体によってずいぶんとちがうのです。窓口がはっきり示されているところもありますし、そうでないところもあるようです。担任の指導の仕方などに疑義があるなどの場合、通常は学年主任に相談するとよいですし、横浜市でいう児童支援専任のような役職があればそこへ相談するのがよいです。教頭・副校長は管理職ですから、本来はそこに直接連絡するものではありません。ただ、窓口が分からない場合は教頭・副校長に「誰に相談すべきか」を聞くとよいです。

 こういうことで困っている人に「教育委員会にいうべき!」とかコメントつける人がいるのは、ほんと信じない方がいいと思います。昭和の時代でいう「PTAにいうぞ!」と同じくらい、ただの権威主義の盲信でしかなさそうです。教育委員会が何も対応しないとか、そういうことじゃないんです。でも、「教育委員会に相談したら、このように問題を解決してくれました」っていう投稿は見たことがありません。

 自治体にも相談窓口が設けられていることもあります。(横浜市

 相談できるところを複数もっておくのはよいことですが、たとえばお子さんが対人関係(担任や友達)に困っているのであれば、その問題解決は学校が担うのが一番よいはずです。

SNSでは平和的解決が難しい

 愚痴るために捨てアカつくって投稿したものって、慰め合う同情コメントもつくようですが、極端で攻撃的なヘイトもたくさんよびよせるようです。そして対決姿勢を強めるような嘘の解決方法をコメントする人もまでたくさんで、憎悪だけがましていく有様。

 教師アカでも保護者アカでも、目の前の子どもがおきざりになるようなことがないように願うばかりです。

 ヘイトが含まれるコメントをつけてくるアカウントの特徴もだいたいわかりました。アカウントはもっているんだけど、人の投稿にコメントする専用のアカウントのようで、自分の発信はしていないというものです。ネット上のペルソナを、複数アカウントで使い分けるというのは若い世代を中心によくやることですが、自分のいきづらさの解消(捨て垢)すなわち王様の耳はロバの耳的な使い方は、よくなくても仕方ないところはあるでしょうが、他人を攻撃するストレス解消アカは本当に問題ですね。

 私は言論は自由であるべきという立場ですから、一般化した課題についてはしっかり批判をしたいと思っています。SNSは共感からエントリーしていく部分が大きいので、なかなか感情を排して意見だけを闘わせる場にはならないようですが、いろいろな立場の人のいろいろな意見をみることで「なるほど、そういう面もあるのか」とか「なるほど、そういう考え方もできる」とか「そういう根拠があったのか」などと深めていくこともできます。それを信じて、スレッドを育ててみようと思います。

 まあ、私は個人ブログというメディアをもっているので、書きたいことはここに書きまくれるんですけれどね。

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