引き算苦手はあるある

教育

 お子さんが「引き算が苦手」という投稿が、連日Threadsのおすすめに流れてきます。

 大人は中高と「数学」まで学習してきているので、かえって「算数」の扱いに困ることがあります。

 就学前にすでに 「事象から数を抽出する」ということをほとんどの子が学んできています。

  また「数える」ということも生活の中で使ってきています。 お風呂で20まで数えるなんてことを多くの家庭でやりますよね。この段階では幼児にとって「数」ではなく「数え“歌”」なんですね。数概念を理解しているわけでは全くありません。

  一方、親子の会話やおもちゃ遊びから、積み木が3こと、ボールが3このどちらも「3」であることを少しずつ理解していきます。親がいつも指差しながら「いち、に、さん!さんこだね〜。」とか言ってあげるうちに、それを模倣して覚えていきます。子どもは、四角の積み木でも三角の積み木でも数が3つなら「3こ」と捉えられるようになってきます。

 これを前提にして、小学校では 数の概念と記号である数字を一致させる ところから始めます。(今は多くの子どもがここまでできて入学しますが)

 その次に、10までの合成と分解をやります。 「4と6で、10」「10は、4と6」を、計算ブロックと数字を一致させていきます。 合体させる動きや切り分ける動きで計算ブロックを実際に操作することがとっても大事。

 大人は当たり前になりすぎていて、理解できない子どものどこにつまずいているのかに気づきにくいので、一緒に手を使って操作したり、指さし確認したり、声にだしたりしながらやってみて、みとっていくことが大事です。

 「じゅう」は「9の次の数」と子どもは知っていますが、「10」と表記することを理解するのは大きなハードルがあります。十進数の概念が入ってくるからです。

 「じゅうは、ひとつ大きなまとまり」であると捉えるのは、これまでの具体物の操作では無理があるんですね。(卵パックなどを使うこともあるけれど、子どもには身近ではないし、今卵パックは10個でないものもたくさんある)だから、学校では半具体物をつかいます。

 「十進数」と「計算」の両方を一気にやってしまうと、子どもはわからなくなってしまいます。

 まずは10までの数で式と計算にしっかり取り組み、「数を操作する」ということを身につけさせます。

  足し算には「ふやす」「あわせる」
  引き算には「へらす」「ちがいをくらべる」 があります。

 「ちがいをくらべる(差を求める)」は、やや難しいので、まずは他の3つの操作を覚えていきます。イメージがもてるように手を動かしてやることが大事です。

 私は何年生でも、式の意味とイメージを確認させます。これは演算決定能力に直結するからです。

 「引き算が苦手」という1年生のお子さんには、 まずは10の合成と分解から、ゆっくりと、そして一緒に確認してあげることが大事です。

 それから、計算ブロックなどの半具体物を用いて「へらす」という操作を行い、これが「数を引く」という意味であることを伝えてあげます。 同時に、式で表したものを並べて、「イメージ」「操作」「式の表記」を一致させていきます。

 こういった「理解」と「処理」を経てから計算カードへと移行するのとそうでないのとでは、後々に大きな差がでます。

 慌てずに!

 これはYouTubeとか動画にして解説した方が分かりやすいだろうなあ。でも、教科書はおおいに参考になるんですよ。「算数の教え方がわからない」と心配される保護者の方は結構数いらっしゃるのですが、教科書の例題を一緒にやる(学校でやったところを復習する)のが一番分かりやすいと思います。面談でもそのように案内することが多いです。

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