令和6年能登半島地震について

ランタナ 世情

 能登半島地震で被災されている皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、1日も早く復旧することをお祈りしています。

 この件に関しては、まだ継続されていることですので、場合によってはタイトル名を後から変更することもあるかもしれませんので、ご承知おきください。(その1、その2など)

 まだ地震が続いていますし、救助活動も継続中ですので、その点に関しては無事を祈ることしかできないのが、今の私です。あえて記事におこしていることは、東日本大震災のことを思い返し、私なりに伝えられることがあるかもしれないと考えたからです。いたらないこともありますが、現時点で思いつくことを発信させてください。

子どもの恐怖心を、どうか和らげてください。

 東日本大震災のとき、私は授業中でした。神奈川県でもそれなりに揺れました。校庭に避難し、保護者引き取りとなりました。勤務校では、23時ごろで引き取りが完了しましたが、東京からなかなか帰宅できない保護者の方もいらっしゃり、翌日引き取りになった児童がいた学校もありました。

 地震は、その後繰り返します。「また同じような揺れがくるかも。」「今度は、何かが倒壊するかも。」と、揺れが繰り返されるほどに子どもたちは恐怖心を増している様子でした。

 東日本大震災以前は、大きな地震の後は「余震」が来ると言われていました。ですが、今は余震とは表現しなくなっています。どれが本震かわからないからです。これからもっと大きな地震が発生することもあるということです。徐々に揺れはおさまっていくという考え方には、なかなかならないのですね。

 子どもに限ったことではありませんが、続く地震に対して、どうか安心する声かけをしてあげてください。手をつないだり、抱きしめてあげたりしてください。

フラッシュバックする人がいることを理解してあげてください。

 恐怖心を募らせるのは、子どもに限ったことではありません。東日本大震災の際は、ずっと津波が街を飲み込む映像がテレビで流され、被災地だけでなく多くの人がメンタルをやられました。私も津波の映像を見ると、今でも胸がきゅっとして辛くなります。

 避難所では、冷静でいることが大事だとは思いますが、パニックになってしまっている人などを、どうか受け止めてあげてください。避難所でなくとも、辛くなっている人がたくさんいます。そういう方には、どうか寄り添ってあげてください。また、必要以上にメディアにふれないような工夫をしてあげてください。

無力感を感じるときは、気晴らしや自己表現を。

 被災地外の人は、「なんとか自分にできることはないか。」と考える優しい方がいらっしゃいます。ですが、できることはほとんどありません。そんなとき、優しい人ほど、無力感を覚えます。被災地の方があんなにも苦しんで悲しんでいるのに、自分はぬくぬくと生きていてよいのだろうかと。何もできない自分に対して傷ついてしまうことがあります。

 そんな方は、いったんメディアから離れましょう。ニュースを見るのをやめましょう。自分の好きな音楽を聴いたり、人と会話したり、食事をしたり、運動したりしましょう。あるいは、何か勉強や仕事に集中するのもよいかもしれません。

 そして、少し落ち着いてきたら、誰かと一緒に「できること」を考えてみましょう。子どもであれば、応援のメッセージを書く、絵を描くなども有効な手段です。現地に届く届かないに関わらず、表現をすることが、自分のメンタルヘルスにつながります。大人であれば、募金に応じてみたり、「被災地の方のためにやらないこと」の情報を集めたりするのもよいでしょう。東日本大震災の復旧では、気持ちだけで乗り込むボランティアの方が、自分の生活の面倒を見切れずかえって迷惑をかけてしまったり、在庫処分のように不要な物資を送りつけてしまったりする件が問題となりました。「できることをしたい」という思いから行動することはもちろん大事な心ですが、有効な支援のためには、興奮せず、落ち着いて考えることが大事です。そのためには「やらないこと」を考えたり情報収集したりすることが両者のためにつながることがあります。それでも何かという場合、SNSで前向きな言葉を発信するというのもよいですね。応援の言葉って、かなりの力になるんですよ。

SNSによる情報拡散は、諸刃の剣という戒めを。

 東日本大震災では、Twitter(X)が活躍しました。日本はもとより、世界中が善き使い方をしていたと感じます。被災地支援に大きく貢献しましたし、個人のSNS発信の可能性を照らしもしました。

 一方で、その後の様々な災害においては、デマの拡散など、意図的なものから情報の信憑性を確かめることなく拡散されたものによって、負の効果を発揮してしまうことも多々見られました。

 チェーンメールの時代から、「不幸の手紙」にはだまされなくとも「幸せの手紙」には簡単に騙されてしまうように、正義感に訴えられた情報に盲目的になってしまうことがあるということを戒めておく必要があります。

 安易なリポストや、誤った手段を取る人へのマウント取りや煽りは、誰の役にも立たないのはもちろんのこと、むしろ被災地の方を苦しめたり、復旧復興を助ける人を傷つけたり、全く関係ない人の心を傷つけたりすることにつながります。こういうときこそ、「誰でも間違うし、うまくいかないこともある」ということを前提にして、フォローしあう、そして自分の知識を過信しない、人と比べて陶酔しない、自分の良心と倫理に冷静に向き合うということを大事にしていきましょう。

子どもの不謹慎なごっこ遊びへの理解を。

 まだ話が早いとは思いますが、災害が少し収束してきた頃から見られる、子どもたちによる地震ごっこや津波ごっこは、心理学的に恐怖心に打ち克つための大事な自己治療の行動です。とても不謹慎に感じるかもしれませんが、これは子どもたちのストレス、心的外傷を治癒するための大事な作業ですので、見守り、また適切に関与してあげてください。

 ごっこ遊びは、あくまでもごっこ遊びですから、怪我をしてしまいそうであればとめるのは適切な関与でしょう。また、お子さんによってはまだまだ先が見えず暗い結末をむかえるようなストーリーになってしまうかもしれません。そういう時は、一緒にごっこ遊びに参加して、「助かった」という結末になるなど安心につながるような支援が適切な関与といえると思います。


 正直なところ、YouTubeのニュースサイトのコメント欄は、民族差別など見るに堪えないものがたくさんありました。私は、そこに乗っかって批判するつもりもなく、粛々と「非表示」にしました。また、東日本大震災のときと比べると、太平洋側で起きる災害や都市部で起きる災害と、日本海側で起きる災害や非都市部で起きる災害では、国民の関心度(ひとごと感)が大きく違うのだなという感覚を持ちました。でも、それをどうこう言っても被災されている方の役には立ちません。私ができること、やるべきでないことを考えた結果、このような情報発信にすることにしました。

 間違いがあれば訂正し、必要があれば追記や新規投稿をしたいと思います。
※アイキャッチ画像にランタナを用いましたが、ランタナの花言葉は「心変わり」の他に、「協力」やオレンジのランタナには「いつも陽気」というものがあります。そちらの意図で汲んでいただければと思います。

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