節分の日付が変わるわけ

日記

 今年の節分は2月3日。ほとんどの人は、「節分は2月3日」という感覚がありますよね。つい3年前に、突然2月2日が節分になりました。来年も2月2日が節分です。

 そもそも節分は、漢字の通り「季節の分かれ目」なわけですから、1年に4回あるはずです。立春の前だけ残ったのは、それこそ豆まきするとか親しみやすい風習があったからなのかなと推測します。

 季節の分かれ目は立春、立夏、立秋、立冬があり、その前日を節分というわけで、いわゆる2月の節分は「明日は立春」という意味ですね。私たちが肌で感じる季節感覚は、これらよりも春分、夏至、秋分、冬至な気がします。明日が立春と言われても、明日の関東の天気予報雪だし、2月が一番寒いとか言われるし。春一番が吹いて「ああ、これから暖かくなっていくかな。」なんて感じますし、日の入りの時刻で夏と冬の感覚をもったりしませんか。

 これらの季節を表す暦は「二十四節気にじゅうしせっき」と言います。みなさんが意識するもの、知っているものはいくつありますか?カレンダーや手帳によく書いてありますよね。また、仕事でお便りを書くときなどは「時効の挨拶」に使うことがあります。

 二十四節気については、国立国会図書館が作成した「日本の暦」というサイトがとてもきれいな表で掲載しているので、そちらを参照されるとよいです。他、暦についてのお話もとても興味深いですよ。

季節二十四節気名新暦の日付
立春(りっしゅん)2月4日頃
雨水(うすい)2月19日頃
啓蟄(けいちつ)3月5日頃
春分(しゅんぶん)3月21日頃
清明(せいめい)4月5日頃
穀雨(こくう)4月20日頃
立夏(りっか)5月5日頃
小満(しょうまん)5月21日頃
芒種(ぼうしゅ)6月6日頃
夏至(げし)6月21日頃
小暑(しょうしょ)7月7日頃
大暑(たいしょ)7月23日頃
立秋(りっしゅう)8月8日
処暑(しょしょ)8月23日頃
白露(はくろ)9月8日頃
秋分(しゅうぶん)9月23日頃
寒露(かんろ)10月8日頃
霜降(そうこう)10月24日頃
立冬(りっとう)11月7日頃
小雪(しょうせつ)11月22日頃
大雪(たいせつ)12月7日頃
冬至(げし)12月21日頃
小寒(しょうかん)1月5日頃
大寒(だいかん)1月21日頃
二十四節気

 節分は、立春の前日ですが、二十四節気に連動していますから「雑節ざっせつ」と呼ぶそうです。雑節の中にも土用、彼岸、八十八夜、半夏生など馴染みのあるものがあります。

 二十四節気は、太陽の動きに連動しています。1年は365日と言いますが、今年は「うるう年」で2月29日があるので366日あります。他にもたまに「うるう秒の調整」などをニュースで耳にすることもあります。これは、太陽年によるものです。

 太陽年は、「地球が太陽の周りを1周する」と表現できるでしょうが、定義としてはおそらくいくつかあります。たとえばGPSは地球上の位置を一意の座標として示すことができますが、宇宙は絶対的な基準点がありませんから、全ての星に対して相対的な位置関係しか示せません。

 太陽に対してぴったり1周分は「恒星年」で約365.2564日です。

 また、地球は太陽の周りを正円ではなく楕円軌道でまわっていますが、その1周分と恒星年は一致しません。他にも地軸の歳差運動とか、他の惑星との重力の関係など、いろいろな要素が影響しているのだと思いますが、詳しくはわかりません。太陽にもっとも接近する「近日点」をもとに、1周分を計算すると約365.2596日だそうです。

恒星年と楕円軌道1周を比較した図をChatGPT4に描かせた図。だけどさっぱりわからん!

 地球と太陽との関係のうち、春分を起点とするものが、本記事で扱う太陽年になるかなと思います。こちらが一般的な「太陽年」なのでしょう。Wikipediaによれば、現在は約365.242189日とのことです。この半端な時間を日にちや秒でときどき調整するのですね。

 うるう年を4年に1度一気に調整している関係で、立春の時刻も4年周期で調整が入ります。また、面倒な計算かもしれませんが、太陽年の小数点部分が「0.242189」だとするとそれに4をかけても1になりませんから、単純にいえば「調整しすぎている」わけで、100年に1度「うるう年にしない」年をもうけて巻き戻しをはかります。(さらに、「ただし400年に1度はうるう年にする」という調整もしているようです)

 これによって、立春の時刻と日付がどのように変化するか、国立天文台暦計算室のHPにある「節分の日が動き出す」というトピックスと、そこにある図が非常にわかりやすかったので紹介します。

国立天文台暦計算室「節分の日が動き出す」 図1立春の推移(予測含む)より

 図を見るとよくわかりますが、2021年に、明治30年以来2月3日が立春になりました。ということは冒頭に書いたとおり、2021年は2月2日が節分だったわけです。それ以降、当面は4年に1度、2月2日が節分になることが分かります。

 私が幼い頃「節分は2月2日だ」と思っていたのは、完全な勘違いだったことが証明されましたが、逆に2月4日に節分だった年は経験していたのですね。

 みなさんは、節分をどのようにすごされますか?小さな子どもがいないと「豆まき」はしないでしょうね。近年は関東でも恵方巻きを食べる人も増えました。我が家も食べます。(だまってかぶりつかず、ふつうに食べると思いますが)また、我が家では、家族全員交代交代で鬼役を回し、豆まきをします。盛大にやると片付けが大変なので、こじんまりとですが。

 今年は土曜日が節分だったので、学校では昨日の帰りに「鬼退治イベント」をやりました。ここのところ毎年私が勝手にやっています。新聞紙の玉をたくさん作って、鬼の私に投げつけるイベント。「たのしかった!ありがとう!」と言われると鬼役としては微妙な気持ちになりますが笑、子どもたちがよろこんでくれるので嬉しいです。他、ロイロ・ノートでそれぞれに鬼の絵を描かせ、「鬼の声を録音しましょう!」という活動も好評です。特に低学年ならば季節行事は、子どもたちと一緒に親しめるとよいですね。現代的なやり方でも、ぜんぜんかまいません。

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