年度初めの授業参観・懇談会

教育

 大体どの学校も、4月に授業参観・懇談会があります。

 年度初めの授業参観・懇談会は、どのような目的で開催していますか?

新しいクラスで学ぶことへの安心感

 一番は、「新しい環境で、我が子はちゃんとやっていけているか、やっていけそうか。」という保護者の思いに向き合うことです。

 保護者の思いは、大きく分けて

  • うちの子、先生の話ちゃんと聞いてる?
  • うちの子、クラスに馴染んでいる?友達いる?

の2つです。

 学習理解と人間関係への関心ですね。

 学習理解に関しては、1年生でなければ、「これまでの我が子の学習理解の特性や到達度」についてある程度保護者が把握しているはずです。そこを基準として授業参観して、我が子への支援のあり方を考えるきっかけとしてもらうことが大事です。

 クラスに馴染んでいるかどうかは、4月の段階で授業という側面からのみで見ることは、なかなか難しいかもしれません。教師もチョーク&トークあるいは、自力解決と理解できた子だけの挙手発言だけで授業を組み立てないように気をつけ、グループワークなどで子ども同士がどのように関わるかを見せる場面をつくることでしょう。ただ、ここに支えられるのは現実として一人ひとりの学習理解度が影響します。場合によっては、学習前にアイスブレーキングを取り入れるなどがあるとよいかもしれません。

教育方針を伝える

 誤解をおそれずに表現すれば、学校はサービス機関ではなく教育機関ですから、学校として「こういう力を身につけさせようします」ということを明確に打ち出すことも大事です。また、「保護者の方には、このような理解や支援をいただきたいです」ということをメッセージとして発信することも大事です。

 第一子の保護者の方ですと、我が子の発達と「学年相応の発達」というものをとても比べたくなります。実際は、子どもたち一人ひとりは多様な発達がありますし、得意不得意もありますから、一言でまとめられるようなものがあるわけではありません。ですが、学校には教育課程がありますし、学年によった評価指標があって、それに基づいて評価されるわけですから、そこに「寄せていくには」という思いをもたれるのは当たり前のことだとも思います。(大事なのは、伸ばせることは躊躇なく伸ばせばよいし、到達していないものを受容して必要な支援をうつことですが)

 家では育てられない「集団」を意識した人間関係の育ちについては、学校が担うものですからこれは理解と支援を求めていくことになります。

 これは、たとえばなんですけれど、家庭で学校のことを話題にしたときの「親の発する言動」をどうすることが子どもにとって最善の環境になるかという意識を向けることが一つあります。担任の先生への敬意を示した言葉にするとか、我が子の言葉を受け止めると同時に、他の子からはその事象がどのように見えるかを問い返したり例示してみたりすることが望ましいのは言うまでもありません。そして断言しますが、その匙加減に困って学校に相談したものを、学校がクレームと認識することはありません。ですから、学校としては、保護者の方が我が子に対してどのような関与をしたらよいかについて、悩んだときは積極的に相談してもらいたいことをはっきり伝えることが大事でしょう。

担任と保護者がつながる

 とはいえ、学校が思っている以上に、保護者の方は「学校には相談しづらい」と遠慮がちです。これだけ世間で「学校ブラック」「精神疾患で休退職する先生めっちゃ多い」「担任がいないクラス」「先生なり手不足」「保護者対応大変」「働き方改革」と枚挙に遑がない状態です。

 まじめな保護者は「こんなことで先生に相談したら申し訳ない」と思ってしまいますし、ふつうに考えても「学校に相談したらクレームとして扱われちゃんじゃないか」と思ってしまいます。

 確かに現実問題として、先日記事にしたように、「担任業務だけ」を普通にしたとしても次の日の準備をするのに時間が足りず、ましてや「担任業務だけ」なんてことは夢幻ですからGWがDWなんてのもまあ。。。という感じではありますが、仲間がいて「連携」「協働」ができることが精神衛生の改善と働き方改革になって、そしてやりがいにつながっていくならば、私は先に挙げた通り、保護者の方が我が子への関与について学校に積極的に相談してくれることが光明だと思っています。

 メディアにつくられた「敵対構造」「萎縮構造」なんて吹き飛ばして、一緒にすばらしい一年をつくっていきたいです。

保護者同士がつながる

 どうも学校内部にいると、先生方はこの目的を一番に考えていらっしゃる人が多いように思います。年間の懇談会の中では、私もこれも大事な目的だと捉えています。ただ、私としては、上記3つの目的の次にくるものだと捉えています。

 保護者同士で悩みを共有したり、連絡手段を交換することで放課後の交友関係を広げたりすることはよい営みだと思います。ただそれは本来的には学校外でやってもらってかまわないことです。学校という場やクラスという場が、コミュニティ形成として安心できる環境にあるという認識ができてはじめて、学級懇談会の場で意味をなすものかなと。

 私はおかげさまで実悠も6年生となり、おおよそ「保護者サイド」も経験することができました。担任の先生が必ずしも保護者サイドを経験するわけではありませんから、保護者の方同士のお話を聞かせていただく機会はとても貴重です。学校教育に何か影響があるかは分かりませんが、「教育」全般への、子どもをより全方位から育てていく視座をいただける機会になります。


 考えてみれば、この記事は4月の初めに書けばよかったです。私は来週(GWの谷間)なのです。

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