ICTは所詮道具でしかない

教育

 表題のようなことを言う人は、ICTが現状のアナログの作業がデジタルへ「置き換わる」という発想しかできない人です。

 どうして、これまで実現できていなかったことを可能とするテクノロジの発想ができないのでしょうか。誰かにすりこまれたそれをそのまま受け売っているのでしょうか、それとも教科専門で排他的な人に洗脳されたのでしょうか。

 ICTは、それが指すものが非常に広範囲であり、また15年前に言われたICTと今のICTは大きく異なっています。そして今もなおずっと変革し続けているテクノロジです。我々の暮らし方そのものが変わってきたことが、それをはっきりと証明しています。

 教育の中においても、もちろんそれが言えるのですが、表題のような人が「情報教育研究」の内部にいるものですから、デジタルアレルギーをもつ職人気質の先生との見事な共犯関係に陥って、社会的にもはっきりと批判されてきているような「教育がちっともDXしない」という現状を生み出しています。

 非常に罪深い話です。

 ICTは、学び方の変革も起こしています。また、それに伴って新しく学ぶべきスキルがあらわれました。それは「情報活能能力」の中にも位置付けていくものになり、現状の教科・領域の目標の中にはありません。

 学習指導要領としては「情報活用能力」は、各教科・領域の学びを支える基盤的な能力として位置付けています。言語能力や問題発見・解決能力と同じように。基盤的能力は、同時並行的に身につけていくことができるものもありますが、ICTに関してはそうでないものもたくさんあります。その捉えがとても重要です。体感的にもそれは多くの人が気づいているはずなんです。でも、それをなかなか認めようとしない人がいるのですね。

 学習指導要領は、その体系からして、教科化・領域化されていないものは扱いません。だから情報活用能力は、それを支える基盤という位置付けなのです。基盤であるという位置付けは決して悪いわけではありませんが、「それだけではない」ということも知っておいた方がよいかもしれません。

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