MMT信者…ではない

世情

 特定の政党の話はしませんよ。

 今回の参議院議員通常選挙においても、国民が一番関心をよせているのは経済政策だとか。

 メディアのアンケートでの聞き方、設問の選択肢からそうなるのかもしれませんし、日頃マスコミが取り上げていることの印象が強いからかもしれませんが、経済政策といっても「物価高・コメ価格対策」という狭い部分への関心が強いように感じます。

 対策については「給付金」「減税」と言われていますね。そうやって言われると対策は2つしかないと勘違いしてしまいそう。そして二者択一のように思っている人もいそうです。

 「バラマキ」という言葉にもおどらされていそうです。バラマキという言葉は、政治家が他の党の政策を批判するときに使う常套句なだけであって、ここにあまり刷り込まれて行かない方がいいでしょう。無駄遣いかのような印象を与え合っているだけですから。

 転んで擦りむいて、傷を消毒して絆創膏を貼るような応急処置が「給付金」ですね。

 食料品の消費税のみ「減税」ないし廃止は、転んでも擦りむかないような環境整備ですね。

 じゃあ、消費税を完全に廃止するというのは、転ばない環境整備かっていうと、それは何とも言えません。

 転ばない環境整備というのは、雇用対策や賃上げといった方が近いからです。

 どんな対策にしても、大事なのは「財源」なんですよね。正直、給付金も減税も賃上げも、それぞれの局面において必要になってきます。(増税も。それは後述)

 党首討論でも話題になっていますが、国民の関心ごとは「給付か減税か」みたいになってしまっています。でも・・・「財源」をどうする問題は、正直言って一般人には答えが分からないのです。

 各政党の党首(や、候補者)が、しきりに他の政党のことなどを「経済について勉強不足」などと批判しあっていますが、経済学者など経済のプロの中でも考えが割れるものですから、たとえば私に対しては当てはまると思うんですよ、「勉強不足」って。でも、政治家の先生たちだって、誰一人として「勉強が足りている」それゆえ「間違いない経済対策(財源確保)の処方箋をもっている」なんてことはありえないんです。

 気に入った誰かの言葉、気に入った理論(のごく一部)などに刷り込まれて、今度はこれをもとにして他党応援者に「勉強不足」などと言い合うという、とってもつまらない現象につながっていて、そういった点において、やはり「どういった言論が建設的か」ということをよくよく考えてほしいなと願ってやみません。

 財源については、「どれとは言えない(総合的に・・・)」「税収の上振れ分」「国債発行」などとの回答がありました。ここからは私の考えです。現在の物価高は、明らかにコストプッシュインフレであるという立場から書きます。(コメ価格の高騰は需要増という見方もあるかとは思いますが)

 一時給付金については、税収の上振れ分を財源とするという話がありましたが、正しいとは思いますがこれが理屈として正しいとして給付するならば「減税」も正しいということになります。(そもそも集めすぎてるんだという理屈)

 また国債発行して給付するという話もありました。国債を発行するというよりは、通貨発行するといった方が分かりやすい気がします。MMT(現代貨幣理論)で最近よく取り上げられている「自国通貨建てなら国債バンバン発行してOK。CDSは起きない。」といった話がありますね。コロナ対策給付のように、一時的な給付であれば、私はこれも正しいと思っています。「政府の赤字=個人・民間の黒字」という理屈は、現代の経済には確かにあてはまっています。

 ただ、現金給付というのは、通貨流動性を即時的にあげる効果がありますから、大変たすかる一方、きちんとコントロールしないと(ディマンドプル)インフレが起きることにつながりますから、これを大きな金額でずっとというわけにはいきません。ただ、経済が回り始めるまで、すなわち所得増が物価増よりも大きくなるまでならば、十分コントロールできるといえます。でも・・・どの国民もが「安心して買い物ができる」という気持ちになる所得って、誰にも言えないし、職によっても全然ちがいますよ。だから、「やめどき」を後から決めるのは非常に難しいことになります。

 MMTを完全に理解している人なんているのか分かりませんが(そもそも完成した理論であるわけでもないでしょうし)、MMTによれば、インフレのコントロールは「徴税」だと私は解釈しています。となると、どこかのタイミングで「給付おしまい」「増税開始」というものに反転すると考えることもできるのですね。もちろん「どこから徴税するか」で、消費税のように全国民からと断言している党はありません。「儲けているところから取る」ぐらいな言い方ですね。いずれにしてもこれを国民が受け入れるかという話にはゆくゆくなるでしょう。

 あくまでの給付金の財源としての話をしました。

 MMTで語っていくならば、むしろ「供給の強化」だと思うんですね。建設国債でもなんでもいいのですが、民間ではなかなかやっていけないような事業について、国が積極的に雇用保障していくことがよいと思っています。現金給付とちがって、雇用創出からの供給増、賃上げなどは、物価高には非常にゆるやかな変化となります。教育や社会保障事業に向けては、どんどん通貨発行して雇用創出いったらいいんじゃないでしょうか。

 日本は通貨発行しまくると、円安になる。という考えを私はぬぐえません。「ドルも通貨発行しまくっているけれどドル安になっていない」という反論がありますが、ドルは国際基軸通貨ですからそれと比べるというのはナンセンスだと思っています。世界各国にドル建ての資本がたくさんあります。取引通貨としても圧倒的です。諸外国の外貨準備通貨としてドルは60%くらいに対して円は5〜6%程度(IMF統計)です。圧倒的に通貨信認度が違います。通貨発行だけで円安になるという単純な構図ではないにしても、通貨に対する信認度が下がることは、特に対ドルでは大きく円安にふれるリスクをはらんでいると考えます。

 まあ、円安が悪かといえば、そういうものでもないですけれどね。エネルギー資源とか、第一次産業の拡大などの問題を解決していくことは、今の日本にとって必要なことでありますから。

 といろいろと書きましたが、私は積極財政には賛成の立場です。ただはっきり言葉にするかは別として、まだアメリカでも議論しまくっているMMTを、あるいはMMTの誤った解釈をもって経済政策を自信満々に語っているところは心配になってしまいます。

 「国の赤字=個人・民間の黒字」「自国通貨建てなら国債無限に発行できる」「日銀が国債買い取れば借金にならない」「インフレさえコントロールすればいい」だけ聞くと、「経済ってシンプルじゃん」「夢のようだ」「緊縮財政とかアホ」みたいに夢の理論だけが浮き立ってしまって、そういう心理が心配であります。

 MMTに基づくならインフレをコントロールするっていうのが肝になってくるわけですが、インフレリスクって、そんな単純なものではないはずなんですよね。ディマンドプルインフレは徴税でコントロールできそうですが、世界情勢によるリスクや外国との金利リスクなどアンコントローラブルなものもたくさんあるわけで。

 いや、難しい。

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