世の中には、音楽をあまり聴かない人もいらっしゃると思います。
私にとって、音楽はいつも生活と倶にある大事なものです。聴くのも好き、口ずさむのも好き、奏でるのも好き。
その分、自分は好まない音(音楽)もあります。
知らないコード聞かされて 心はぐれた夜
LINDBERG「CHANGE」より
アーティストやファッションなど、音楽に付随するものから敬遠しちゃうものもありますが。
忍者か小学校の先生になりたいと思っていた子どもの頃。
忍者という職業がないと知って、それからは小学校教師をずっと目指して大学まで行きましたが、大学2〜3年の頃「歌手」もいいなって思ったことがあります。歌には人の心を動かす力があるって思ったから。
勇気をもらえる曲もあるし、落ち込んだときに思いっきり落としてくれる曲もあります。恋に胸がキュンとなる曲もあるし、純粋に自分に染み込んでくるメロディーラインもあります。
LINDBERGと共にあった中学時代。
trfからユーロビートなどヒップホップ以外のダンスミュージックにはまった高校時代。
メロディックハードメタルからクラシックまでほぼ全てのジャンルを聴いていた大学時代。
でも、高校〜大学で一番聴いたのはELTか中島みゆきかなあ。
そして、アイドルグループの曲は、とにかく聴かなかった。なんだろう、音楽はオプションであって、アイドル自身やパフォーマンスの総体が商品だと感じているからなんだと思う。「歌詞」は音楽の一部だって認めているのにね。
圧倒的に女性の歌声が好き。
世の中には歌がテクニカルにうまい人はごまんといるけれど、私には私の“好み”があるんだと思う。でも、そうだよね。うまいだけじゃ売れないから、やっぱり人に届く何かをもっている、あるいはもつ人がいるってことだよね。
つらいことがあって落ち込んでいる人に、どん底までつきあう。これって、メロディーと、そしてその人にぴったりと馴染む“言葉”に力があると思う。私は作曲の知識がないから旋律は編めない、でも、言葉は紡げるかもしれないって思った。
その一番のどん底でもなお、人には尊さがあって、世界と混ざり合ってぐしゃぐしゃになってしまった中から自分の尊さをすくいとって、希望を照らす。そんなことを起こせたらいいよね。
こういうところ、私は中島みゆきさんの歌詞の力強さをいつも感じる。聴いて、驚くほどぴったりだから。こんな詩をぼくには到底紡げない。
誰も触れない 誰も問わない 時は進まない
中島みゆき「心音」より
でも聞こえてしまったんだ 僕の中の心音
綺麗で醜い嘘たちを 僕は此処で抱き留めながら
僕は本当の僕へと 祈りのように叫ぶだろう
未来へ 未来へ 未来へ 君だけで行け
中島みゆきさんの曲はテレビドラマなどからもいろいろと流れていたから、耳には入っていたけれど、私が詩として初めて衝撃を受けたのは「命の別名」だった。この談義をしていると止まらないので、それはまたにしよう。
多くの人は自分の青春時代に聴いていた曲がずっと好きなのだそうだ。それってやっぱり、一番心を動かされていた、あるいは倶にあったってことなんだと思う。
高校時代とかだと、片思いの人が好きなアーティストを好きになるってあるあるだよね。
社会人になってからも、好きになってたくさん聴いたのは女性ボーカルのアーティストばかりかも。でも、ゆずは女性じゃないね。でも高校時代によく聴いたB’zにしても、高音域の歌が好きなのかなあ。いきものがかりは、ポッキーのCMが出会いではじめは受け付けなかったんだけど、いやいや素敵な曲がたくさん。
でも、思い返してみると、教員になってからは子どもたちと音楽コンサートで扱った曲にひっぱられるなあ。これは、音楽駆動で心が動かされたのではなく、子どもたちの思い駆動なんだろうな。
最近はYOASOBIの曲が大好き。
全部じゃないの。受け止めきれない曲もあるから。
青春時代に「あの夢をなぞって」があったら一日中聴いてたかも。
スポ根としては、「祝福」「舞台に立って」も大好き。今も階段昇降のとき聴いちゃう(心拍あがっちゃう)。
これまで好きになったアーティストでも、「全部好き」ということはないのね。また、ものすごくたくさん聴いても本人登場のミュージック番組を熱心に観たりはしないし、アーティストのメンバーのことも全然知らない。ここが、私は人とちがうところな気がしている。
でも、この感覚が、私の教師観にすごく通じるものがあるとも思う。私は子どもたち一人ひとりの人生の脇役であって、初めはどうしたって大きな存在だろうけれど、私自身はいつも最後に自分が小さな存在になっていくようにしている。私は装置であって、心を動かすのは、そこに織り成したものを通した子どもたちなのだから。
音楽は人生の伴侶。
当時聴いていた曲を思い出せば、自分のしていたこと、関わった人とのことが感情とともに鮮明に思い出される。
今、一番好きなのはYOASOBIの「ラブレター」。中島みゆきさんのような哲学的な言葉も力強さもないのだけど、すごいですよ、誰にでも分かる言葉だけで自分の体の芯から世界までがしっかりつながるくらい素敵。
きっと私は、5年生存して、この白血病を「治癒」して、あと何十年も生きるんだ。
いつだって音楽を聴けば、この数年間のことを、支えてくれているみんなのことを、鮮明に思い出すんだろう。


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