寛解導入療法でのジレンマ

闘病生活

4日ぶりに、「家族が白血病になったら」シリーズを書きます。

急性白血病の場合は、大まかな治療の流れが確立しています。

  • 寛解導入療法・・・最初の入院。血液中のがん細胞見た目0を目指す。
  • 地固め療法・・・何回も入退院を繰り返す。体内にわずかに残ったがん細胞0を目指す。
  • 維持療法・・・服薬で再発予防をする。

といった形です。

急性白血病は入院直後が一番危険というお話をしましたが、まず最初に血液中に大量に増殖してしまったがん細胞をやっつけなければならないので、通常強い抗がん剤が使用されます。

よく脱毛するイメージがありますよね。

強い抗がん剤は、よい細胞もろともやっつけてしまうので、がん化した血液細胞以外に血液細胞も0に近づいていきます。いろいろな副作用を経たのち、「骨髄抑制こつずいよくせい」といって新しい血液細胞がしばらくできない状態になります。

血小板や赤血球は、減りすぎた場合は輸血をします。

白血球を輸血することできません。白血球は寿命がとても短いため輸血用に蓄えられることがないことに加えて、人の白血球ではアレルギー反応が起きてしまう可能性があるためです。

したがって、白血球は自然の回復を待つという治療になります。

白血球のうち、好中球こうちゅうきゅうは菌類・真菌類とたたかう細胞です。リンパ球はウイルスとたたかう細胞です。これらがなくなるということは、感染症のリスクがとても高くなるということです。

普通の健康な人なら何事もないような、そこらへんにあるウイルスに簡単にやられてしまいます。また、体内の常在菌に負けてしまうこともあります。

急性白血病で入院した直後は、まずは命がつながるよう「祈る」のみ。

次に、抗がん剤による骨髄抑制でも感染症リスクを徹底的におさえるということになります。

そのため、無菌治療室に入ります。クリーンルームとも呼ばれます。特別な空調設備と清掃対策がされた部屋で、空気中の微生物や微粒子を管理して感染症リスクを抑えてくれる部屋です。

また、体内の常在菌にやられないように、特に口腔ケアに気をつけます。私は1日8回うがい薬でうがいするように指示されていました。3回の歯磨きはもちろんですが、舌みがきもします。

そして発熱などしていなくても、予防で抗生剤を服用します。

そうなんです。家族が「どうしよう。」「大丈夫かな。」と思う点は、面会するほどに感染症のリスクを高めてしまうのではないかということです。

一番命の危険があるときに、面会することがはばかられてしまう。これが急性白血病の大きな悩みになると思われます。

これは病院にもよると思いますが、意外にも面会謝絶ではないことの方が多いようです。

面会の人数や面会時間に制限がありますし、面会人が自身の体調管理をしっかりして万全でなければ控えるというも必要ではありますが、会えないことはないという感じです。

私は、妻以外の面会は全てご遠慮願いました。これは私自身が不安だというのもありますが、なにより万が一のことがあったときに面会に来た人の心を守るためです。たとえばその日は元気だと思っていたのに、次の日に風邪を引いたとします。万が一私がその後感染症で命を落としてしまったら「自分のせいだ」とものすごく責めてしまうと思ったのです。

この辺りは、患者本人とよく話し合って決めるとよいと思います。

ちなみにですが、映画とかでやっているような、ベッドの周りをビニールのカーテンで覆われて患者に触れられないというのはありません(笑)。あれは、患者側から他の人へウイルスをまきちらしてしまうことを予防するためですから。

発熱してしまった場合は、血液培養検査というのをして、本来無菌のはずの血液中に細菌や真菌といった微生物が存在するかを確認します。そして、いろいろな抗生剤を点滴することになります。

私も寛解導入療法中は20日間くらいずっと発熱していたと思います。39℃近いこともよくあり、ずっとつらい状態で、アイスノンが欠かせませんでした。

入院初期には、さまざまな致死的な状態変化がありますが、それはもう知ったところでどうしようもありません。家族として考えられることは「感染症対策」にどのように協力していくかだと思います。

同じ入院治療をしている方でも、あんなに看護師さんから言われているのに、歯磨きしなかったりトイレ行ってから手を洗わなかったりする人もいましたから。。何もできないときは看護師さんがいろいろ手伝ってくれますが、骨髄抑制が始まったころは患者本人の意識も大事です。家族にきつく言われるとちゃんとやる人も結構いますよね。あとは、シャワーなどを浴びれないと不衛生になってしまうので、温かいタオルで体を拭くということも大切です。

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